'1973 900SUPER4用キャブOH

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最近ではノーマルパーツが貴重な様で高価になって来ましたが
性能どうこうでは無くオリジナルへの拘りが強くなって来ているのでしょうかね?
VM28(147/3刻印)’1973 900SUPER4用のキャブをOHします。
 
ただ、今回はリンク系カッタウェイ等の動きに問題は無いので
OHキットの入っているジェット系とパッキンのみをやります。
 
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147/3 縦リブが入る'1973用のキャブですが
どうしても最初期のリブ無しの'1972用のキャブが一番人気でしょうけどね
 
ホントはリブ面積が大きい後期型のキャブの方が本体の歪が出ないので良く
補強が大きくなって行った経過を考えると最終型が強度は高い
 
ただ、口径を小さくして当時の北米でのマスキー法をかわす為に
アイドリング付近を薄く設定しておいて
 
常用~高回転域で加速ポンプを用いて初期型相当の空燃比にする?とか
騒音規制もあるだろうけどエアクリーナーBOXの大径化で吸入抵抗増大になり
Z900の実質パワーダウンも致し方ないのでしょう。
 
その辺は構造上から来るフィーリングも含め
初期型の方がパンチが出る感じが得られるかもしれません。
 
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あとはこの手に詳しい方は今更デスがご存知の通り
縦リブ入り+ドレンで
最初期型と同じく大きい(17mm六角)のドレンが'1973式のキャブの特徴で
 
MJが容易に交換できる構造はヨシムラ ミクニ スムーズボアや
ケイヒンCRキャブと共通の構造であります。
 
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まずは ザッとバラしてみますが
見た目ではキレイか?バッチぃか?だけしか わかりませんが・・・
 
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まずはココまでバラしてありますので
簡単な交換からTジョイント交換をしますが
見た目は変わらずなので前のオーナーが交換済か?
ちょっと分からないので念のため交換しておきます。
 
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お次はスタータープランジャーを交換しますが
一瞬、あっ!やっちまったか!?と思いましたが
 
調べるとコストダウンの為に先端のピンは省略されており問題ナシらしい
全長も若干長いのは?チョークが戻りきらない事を嫌って対策しているみたいです。
 
でも、なんで先端のピンが不要なのか?分からない
レバーで変化を感じることが出来る部分なので 変更ナシがイイかもしれない。
 
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お次は頭側をやりましょう。
 
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各気筒のキャブのトップカバーを外し
内部のリンク緩み止め2か所の頭を寝かしてナットを緩めます。
 
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上側の機構を全部取り除くと 底にはニードルジェットがありますが
ココは圧入されているので交換には特に気を使う所ですね。
 
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ニードルやココのガタは燃調の不安定につながるので
見た目で痩せているか判断は困難なので
この部品がOHキットに唯一入っているのも購入のポイントでした。
 
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各気筒のニードルジェットを組み込みジェットニードルを交換しますが
燃調マップの標準値(ノーマル)の組み合わせの他に
 
ニードルがリーンが1種類、リッチが2種類ありますが装着車は
ASウオタニの点火システムの為に基準値では薄いかな?とも思いながらも
 
そこは欲目を出さずに手間を惜しまないで
一度は基準値を組んで試走し濃い?薄い?を確認し
場合によってはL側は無いと思いますがR側に振りたいと思います。
 
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同じ交換作業を4回やります。
 
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コレでも結構~綺麗にしたのですが完璧にやるなら?ウエットブラストですが
通路に詰まりが無い事が確認出来ているのでココから4気筒を組んで行きます。
 
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ジェットホルダー スロージェット 二ードルバルブ
そしてメインジェット全て新品交換しました。
 
フロートは純正キャブなのでヨシムラ スムーズボアみたいな
真鍮製のフロートの様に虫食いなどは起きませんからこのまま使えます。
 
そしてフロートレベルは確かに基準値があり大事ではありますが
フロートバルブがしっかり機能していればオーバーフロートや
キャブそのものが極端な不調に陥る事は個人的な経験から無いと思いますので
数ミリの誤差は許容範囲だと思います。
 
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ココのOリングも入っていたので交換しておきます。
 
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フロート側も完成しました。
 
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最後はエアスクリューを交換
この部分は問題ナシなので替える必要も無いかもしれませんが
とにかく キットに入っているものは極力交換します。
 
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各気筒に新しい部品が組み込まれました。
 
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新たな息を吹き返すのが楽しみです。
自分で組むと?何時も火が入る瞬間の感動はMAXに達しますね!
 
作業時間5H
累積時間68H