バルブクリアランス調整

今回はニン吉のバルブクリアランスの調整です。
この調整を定期的に行っているか?でエンジンの寿命にも関わって来ますので
素性の解らないそれなりに走ったバイクは必ず確認しておくのがイイでしょう。

反面、中古車選びで
距離はとても走っていてもちゃんと消耗品を交換し調整していれば
問題なく絶好調で走るので頻度に応じて行われた整備(履歴)は大事ですね。

こんな作業は自分でヤルのは一般的じゃないし
普通こういう調整作業はバイク屋さんで工賃を払って頼むのが通常です。

知識のある方は大いにやるべきですが怪しい方は辞めた方が賢明だと思います
まさに「イヂリ壊す」事になるので作業は自己責任で。

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ヘッドカバーを外し中を覗くと?パッと見てひと安心! 変に汚れも無くシール類の破損が無いことがまず解りますね。 お約束のカムホルダー取付等、各ネジのトルクも確認し全て正常にありますし バルブ(スプリング)等の破損も当然なく鉄粉や破片もございませんでした。
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バルブクリアランスにはこの手の車種は アジャスト機構がついているのでナットとネジで調整できますが Z系など一世代古いバイクで中にはシムを入れてクリアランスを 調整する機種もございますが この手はシックネスゲージ(すきまゲージ)を アジャストスクリューとバルブの間に入れて、 アジャストスクリューを回して 規定クリアランスの最小値に調整します。 パルシングローターを回し1/4番を圧縮上死点(TDC)にして カムスプロケのEXとINを水平状態にした状態で測定開始。 1.4番のクリアランスを測定と調整 2.ローターを180°回し2/3番を上死点にし3番を測定と調整 3.ローターを180°回し1/4番を上死点にし1番を測定と調整 4.ローターを180°回し2/3番を上死点にし2番を測定と調整 5.最初の位置に戻すには更に180°回して終了。 カワサキのサービスマニュアルにはクリアランスが IN 0.13mm~0.18mm OUT0.18mm~0.23mm と、なっております。 前回も触れましたがこの手のサイドカムチェーン車の持病で サイドスタンドで停車しアイドルでダラダラとエンジンを回していると? カム山やロッカーアームのかじりが起きたり オイル管理がずさんな車両で起きる虫食い等も全然無くてラッキー! 当たり面だって出始めたばかりの感じで 山も妙にピカピカでなく消耗はコレからって感じですね。 しかもニン吉は「逆車」ですからカムも国内仕様よりハイカムなので ピークパワーも高いのもコイツを選んだ理由の一つでもあります。 総じてココでも解るのはメーター走行距離が少ない事の裏付けが出来ますね キャブのOHやプラグ交換みたいにダメならハズレだったのですけど… もしハズレなら?どういう事になるか?ですが。 一般的なヘッド周りの調整で異音が消えない場合はチェーンの伸び テンショナー消耗or破損やカムやロッカーアームかじりでお逝きに なっておりますのでその辺を総どっかえしたら? ガイド(チエ-ン),FR×1 \1,627- ガイド(チエ-ン)×1 \2,856- チエ-ン,カムシヤフト×1 \6,300- ア-ム(ロツカ)×8 \32,256- カムシヤフト(バルブ),インテ-ク×1 \26,880- カムシヤフト(バルブ),エキゾ-スト×1 \25,880- 部品合計\96,799- コレに工賃が\6,000-/1Hで? ん~「私なら」上3点のカムチェーンモノは別作業で カムとロッカーアーム交換だけでも6Hはほし~かな?              \6,000-×6H=\36,000- コレだけダメなら総額¥132,799-!!!ですなぁ! ニンジャ系もZ系同様ベースが悪いと?金ばかり食いつぶして もろくに走らないのでこの辺の持病部品はある程度の覚悟しておりましたけど ココの追加部品がナシはラッキーでした!                    
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ヘッドカバーを外しガスケットを見ると?ちゃんと漏れ対策がされております。 この手はガスケットがゴムでしかもカバーに漏れ対策の溝が切ってあるし カムプラグ部分が一体成型されておりますのでZ系の泣き所 カムプラグの合わせ面も無くだいぶオイル漏れへの対策は進んおります。 カワサキ車=オイル漏れをするイメージが強いけど Z系でも一滴も漏れないモノもあるし最新型でもクレームで 対策している車種もあるので一概に言えませんけど ニン吉も引き上げ時に漏れは無く合わせ面もしっかりしていると思います。
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さぁ!いよいよ本題のバルブクリアランス調整に入りますが Z系は「シム」で調整しニンジャ系は「アジャスター」で調整するので 部品代が掛かりませんが16ヵ所調整する所がちょいと手間が掛かりますね。 クランク1回転につきTDC:(Top Dead Centerの略 (いわゆる上死点) に合わせ各番手のIN/OUTをシネックスゲージで測定し 基準値の範囲中間で合わせて行きますが 数カ所が規定範囲外でしたので今回調整する事で メカノイズも少し下がると思います。 クリアランス測定もゲージの挿し方で0.01程度は簡単に差が出るので 入れ方と再度の確認が必要です。 そしてサイドカムチェーンの隙間からチェーンスライダーの消耗も 確認しますがコレも当たり前だけどOK!張りも後でやりますが 見た目は大丈夫ですね。
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画像は前回と前後しちゃいますがサーモスタットや 中継配管そしてヘッドカバーも調整後そのまま付け直すのも なんですから塗装しておきました。 ガスケット類はまた全部新品交換しておきましょ。 そして、この時に純正品はさすがだなぁ~!って思ったのですが ヘッドカバーのメッキボルトが錆びておりましたが軽く磨いたら? その錆が全部キレイになりましたから注文しなきゃヨカッタかな・・・
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全て調整して塗装し組み直して作業完了。 あっ~ヘッドカバーはツヤ有りで塗ったのですがちょっと安っぽく見えるか・・・ しかもプラグホール周りをもう少し整えてから塗らないとダメでした。 やはり段取りで手抜きするとキレイに塗れない典型です。 コレはコレで一度完成させてからまたヒマになったら塗り直しましょ! 寒くなったり暖かくなったりと忙しい季節ですが 少しずつ春になってきているんですねぇ~!ニン吉の春はいつ来るのかな? 作業内容 :バルブクリアランス調整 :ヘッドカバー等小物の塗装   4H(積算時間39H) 使用部品 :ガスケツト,シリンダ ヘツド カバ-×1 \2,767- :ガスケツト,スパークプラグホール×4 \1,058- :リング(0)×6                \1,449-      :ボルト,ヘツド カバー×6 \1,179- :ワツシヤ,ヘツド カバ- ボルト×6 \1,134- (累積合計\56,264-)