電装系のアキレス腱
今回はバイクの過去の電装ネタの反復記事ですが 電気の元を整理する部品「レギュレーター」ついて書きたいと思います。 まず始めにバイクを動かすのには電気を必要としますが その電気を作る為にバイクには「発電機」がついており その部品名は「オルタネーター」とか「ジェネレーター」と呼ばれ さすがに「ダイナモ」は古い表現となってしましましたが… そう言う呼び方もあります。 自動二輪の発電機能は基本的には3相交流回路(単相もあり)で エンジンのクランクの回転軸から「交流」発電された電気を 「直流」に変換し電装系やバッテリー本体に電気を蓄えますが 充電する為にバッテリーの定格電圧12Vより高めの電圧で制御&充電を行い エンジン回転は刻々と変化しますので、走行中のローターの回転を イメージすれば比較的容易ですがアイドリング~レットゾーンまでの 回転差から来る電圧を「一定化」しなければなりません。 大昔はこの制御を「レクチファイヤ」が整流し「レギュレータ」が 2個あり独立した部品で定電圧化をしていたのですが 現行車ではこの画像の様な部品で二つの機能を一つにして レギュレーター+レクチファイヤーが一体となりましたので 現在車ではただ「レギュレター」と呼ばれ機能を果たしております。 例えば画像の様にZ1系の新車当時に装着されていた レギュレーターとレクチファイヤーですが さすがに最初の画像と比較すると古さは隠せません危なっかしいです。 ポイント点火のコンタクトブレーカーより早急に対策したい部品で 一般的にZ1系の電圧は14V~15Vの測定値が正常とされておりますが このレクチファイヤーが故障していると過電圧を抑えきれなくなり 過充電となり通常のバッテリー液の補給口が外れる「開放型バッテリー」は 中の液が加熱され煮だったり蒸発してしまうのでそんな症状のユーザーは 早々に交換対策をオススメです。 更にバッテリー液を一度注入したら開けることの無いまたは 最初から注入口の無い密閉型のMF(メンテナンスフリーの略)タイプの バッテリーを使用した場合は? 過充電によって加熱されバッテリー内部に溜まった希硫酸ガスの逃げ場が無く 最悪は熱膨張による変形や最悪は爆発事故を起こしかねない可能性があるので それを避ける為にも早急に電圧の安定化を対策してください。 メンテナンスフリーバッテリの使用の有無にかかわらず 各専門店で売られているMF対応レギュレーターを使用し電圧を バッテリー液の発熱が始まるおよそ13.8V(高回転は14V位かな?)付近に 制御しておく事が望ましいと思います。 他に充電系の故障例としてバッテリー本体その物の経年劣化が進むと? 「蓄積電荷の量」が減少してきますので 新しくバッテリーが正常なうちはジェネレーターで発電された電力の多くは バッテリーの全容量を満たすために充電に使われますのでいいのですが バッテリー内部の劣化(サルフェーション)が進むと 電気の抵抗体が内部の鉛の板に発生し容量を減らしてしまう事から すぐに満充電状態となってしまいバッテリーへ電流が流れにくくなりますから 余った電力をそのまま放置すると電装系やバッテリー端子の 電圧が上昇しますしレギュレーターはそれを阻止しようと働きますので レギュレーターの機能はフル稼働する事になり レギュレーター(レクチファイヤー)の消耗を早める事にもなります。 ココまでの話を纏めると、長期的に見れば熱変換を繰り返す事で レギュレーターも消耗部品でありそれなりの走行距離、高回転で バイクを使うほど消耗が早く一概には書けませんが電圧をチェックし 規定外の数値が出る場合は新品レギュレーターに交換する事が車両の故障を 未然に防ぐ最善の策でしょう。 そしてMFバッテリー用のレギュレータは電圧(発熱を) 正確に制御出来るのでバッテリー液を補充する開放型バッテリーでも 使用可能ですし逆説で密閉型シールドバッテリーにMFバッテリー未対応の レギュレーターを使用した場合、発熱で起こるバッテリー内部で 発生するガスの逃げ場はない事から膨張&破裂を起こす危険があり 絶対使ってはいけません。 また、初歩的な知識ですが 漏れた液が衣服に付いて十分な水で流さないと洗濯後に 付着部分に穴が開いたり肌に着いたり目や口に入り特に目は最悪は失目します バッテリー液の取り扱いは十分にお気を付け下さい。 なお現行車のレギュレーターはアルミダイキャスト製等の 熱伝導の高いケースに原理はシリコンを用いたツェナーダイオードと パワートランジスタを組み合わせた電子回路の教科書に載っているような 「定電圧回路」が使われており半導体を用いた電子回路で作られた バッテリーの充電に必要な部品でありますが 過剰電力をトランジスタで熱変換し消費させ電圧を一定に安定化させており 半導体は一般的に熱に弱くいくらパワートランジスタと言っても 熱を長時間にわたり加えれば部品その物の寿命は短くなりますので 外見はキレイでも使用頻度が激しい個体を見極めることは測定し見ることは 可能ですが徐々に劣化し故障してしまうといったケースもあるカモ知れません。 また古いバッテリーその物が数値上に充電出来ているから 大丈夫だと思って安易に何度も充電したモノを繰り返し使えば 場合によってはエンジンの始動性が悪いとかバッテリーが すぐなくなるだけでなくレギュレーター本体にも負担をかけ (熱変換し続けるので回路に負担が掛かる)定期的に測定 使用頻度応じ交換したほうが電装系全般にも負担を掛けない済むハズであり お財布にも結果的にはイイかも知れませんし特に旧車は部品をケチると 痛い目に遭います。 イメージして下さい! 今売っている現行車が30年先に未整備&無交換で走りますかね? そうした部分を考えてもZ系は特別に耐久性があるバイクかも知れません 乾いた要所にオイル回してバッテリー新品にしてキャブ掃除すれば 「走れちゃう」のは良いのか?悪いのか?ただ、一通り整備したZと乗り味は 大違いですが・・・ね。