燃料コック(キャブレター)

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今日は燃料コックとキャブレターの話です。

近年では燃料をエンジンに送り込まれる構造が
高性能な現行車の一部では既にクルマ同様のインジェクション車が存在しており
構成は?コンピュータで制御し常に排ガス濃度から空燃比を
O2センサーで割り出し適正化しておりますから
そのインジェクターに燃料ポンプから燃圧を与え霧吹きの様に
吹き付けている構造なのでキャブレターとは似て非なるモノです。

対してキャブレターはピストンの吸入(負圧)を利用して吸い込む構造であり
圧送量はゼロなのでエンジンの負圧力のみが頼りですから
細かい制御はO2センサーも持たない構造上
なお幅広い理想的な空燃比の設定は不利ですが

キャブレターも年々進化はあってエンジンの吸入負圧(吸い込み)に
応じた混合気の量がエンジンに吸入される方式のキャブが「負圧式キャブ」で
一般的にCVやCVKと言われているキャブがコレに該当し
この手のひとつ前の強制開閉される構造のVM型等のキャブよりは
燃費改善はされ1970年代~80年代の海外でも耐久レースで
負圧式キャブを使うチームは沢山存在しました。

今回の本題、強制開閉型方を装着しているバイクの燃料コックの場合
コックレバーのポジションはON・OFF・RESが一般的で
負圧式のキャブレター装着車は「ON・PRI・RES」の三つのポジションで
「OFF」のポジションは無くいのですが

これは?キャブレターがエンジン吸い込み量に合わせてガソリンとエアーが入る
負圧式燃料コックは「ダイヤフラム」という部品を介し「負圧=吸い込み」で
燃料が流れる為であってエンジン停止時等でガソリンを必要としない場合に
燃料漏れが起きる場合はダイヤフラムの故障や

キャブ内部の「フロートバルブ」に問題を抱えている場合がほとんどで
通常はONで使い、整備等でガソリンホースを外す時もこの位置で外し
故障していなければ通常は燃料は漏れません。

長い間エンジンをかけずに放置しフロートチャンバーに意図的に燃料を入れたい
逆説で燃料タンクのガソリンを何らかの理由で抜きたい、空にしたい時など
強制的に燃料を流したいときは?このPRI(プライミング)ポジションを使います。

但しPRIの位置は燃料の直通通路ですから強制的に燃料が供給されますので
普段は使うポジションでは無い(垂れ流しの状態になる)ので
お間違えなく、あくまで臨時的に時に使うポジションです。

近年のインジェクション化が進むつい最近まで負圧式キャブが多いのは
エンジンの吸入負圧に応じた混合気の量がエンジンに吸入される方式なので
それ以前の強制落下式に比べ無駄なガソリンを流しづらいので省燃費(好環境)
の大きなメリットはありますし、ニードルやジェット類を変更すれば?
出力重視にもSETできる柔軟性もありますね。

1970年代のバイクはそういう負圧式キャブレターの設計や商品は主流ではなく
一般的に強制開閉式と呼ばれる方式のキャブで基本的にSETが出て入れば
カブる事はないでしょうけどアクセルの開度に応じエンジンに吸入され
「エアファンネル記事」で書きましたがライダーの技量を要求されるかも?

字の通り「強制開閉」ですからスロットルを開ければ開けるだけ燃料
(ガソリンと空気の混合気)が入りある程度は車速&回転数あった
アクセルの開け方を意識し操作しないと少し走りに影響しむやみに開け続ければ
不完全燃焼の無駄な燃料を使いますしカーボンが多い燃焼室になる事になり
「探りながら開ける技術」も時に意識し必要の時もあるでしょう

「単純に」一回の爆発を起こすのに出来るだけ大量の混合気を入れれば
爆発エネルギーが大きいのでシリンダー温度(熱エネルギー)も上がり
強くピストンを跳ね飛ばし出力UP出来るのですが
理想空燃比を越えればガソリンは「燃焼しながら冷却(洗浄)」も
しているので温度が逆に上がらないので、出力が落ちてしまい
「燃費が悪い割にそれほどパワーも出ないしエンジン内の汚れや故障も
誘発し結果乗りづらく壊れやすいバイク(エンジン)にもなるのです。

これ以上の話はチューニングの領域なので標準値から
何処を崩し何処の部分の性能を上げ整えるかライダーのバイク用途や
チューナーの考え方で大きく異なるので具体的に「キャブの口径は何パイ」
とか「ジェット類は何番がBest」とかは個々のエンジンの状態が異なるし
これ以上は誤解を招きますので専門知識のあるお店に聞くのが近道です。

またブログを通じ同じバイクに乗っているからと言っても
「バイクは個体差がある」事を付け加えます。

用途や点火系の状態や圧縮の状態、厳密なバルブタイミングのずれ
キャブのジェット類気候(温度、湿度と気圧の違い)が異なるので
カブるのはまだ何とかなりますがベストは出ません。

ただ基本は無意味な大口径なキャブは公道では乗りづらいし
エンジンを傷め易いと言う事は共通項だと思いますし、ミスチョイスの大口径は
キャブ吸い込み量が足りなく流速も落ちて効率ロスもあり無駄だと。

コックの話に戻しますが、今私が付けている強制開閉式のキャブの場合は
この燃料コック「自然落下式」が使われております。
読んで字の如くで「ON」や「RES」で自然に燃料が出ますので
どうしても若干無駄に燃料を流している反面パワーは負圧式の物とは
ひと味違いダイナミックなので好みが分かれる所であります。

このコックの場合は翌日までお乗りにならない時は「OFF」にしないと
フロートバルブのシールが甘いと燃料がオーバーフロート
(キャブの燃料が貯まる場所から溢れる)を起こすので長時間停車はOFF

なお、用途によって好みも異なると思われますが個人的には
長距離ツーリング主体の方は燃費や軽操作感で「負圧式(CV、CVK等)」の
キャブが良く燃費等の多少の犠牲もあるがバイクの出力重視の方は
「強制開閉式(VM、TM(R)(MJN)、CR、FCR等)」が良いと思います。

更にFCR系のキャブは霧化特性に優れ高出力+省燃費という事も
CRやVM系キャブより有利であり、レスポンス(アクセルのツキ)も
CRに無い加速ポンプ持つ事から鋭く反応するでしょうからその特性を好む方には
オススメですが

ピークパワーでは必ずしもFCR系がズバ抜けてイイかと?
と言うとセッティングが出ればCRとFCRの大差は無いとも言われております。

あくまで構造や過渡特製(味付け)の差が体感上大きく異なる事で
小開度で巡航すると?霧化特性の優れたFCRやTMR-MJNが燃費で勝ると思います。