専門知識より基礎知識

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「基本整備は大事」と書き続けておりますが 整備って幅広く掃除や調整、部品交換と色々ありますよね? その延長線上にある改造の一つでキャブレター交換を一例にして 今回は書きたいと思います。 一度セッティングが出たキャブレター(特にノーマル仕様)は 調子を崩す事はほとんど無いですがそこにスペシャルなキャブ装着し 出力特性を変える為に再SETとなると? 調整方法を知らずして闇雲にしても完調どころか壊すのが私の持論であって そういうチューンの前にやっておきたいことがあると思いませんか? そこでカワサキZ系の一番ポピュラーな改造キャブのCRキャブは 「スロットルが重い」という巷のウワサがありますが 重いですか?普通?ですか?私は重いと感じたことはありません 強制開閉型のキャブやスロットルワイヤーが1本のキャブと比較すれば? CRキャブが重いなんて事は無いと思いますよ。 比較的に近代的な負圧型のCVやCVKとかスロットル機構がフラットバルブの FCRやTMRに比べれば?重いでしょうけど。 それと部品の消耗で起きる重さも書いておきますが 内部のスロットルバルブとボディのスライド部が消耗し段が付いたり リンケージ、ワイヤーの張りがキチンと整備されて場合は重いのは当然です。 確かに構造上フラットな構造のバルブのFCRと比較すればCRは重く 特に圧縮の上がったバイク、ビッグシングルやVツイン車は吸気(圧縮)が 強力でスロットルが戻らなくなる「貼り付き現象」もCRでは起き易く バルブを引きずるイメージもある事から重いと感じることもあると思います。 例えば?600CCシングル車などは純正品でもキャブの貼り付きは起き易いので レスポンスも含め貼り付きを抑える為にFCRに交換する方もいるみたいです。 話を戻して、CRでも画像の様な可動部をマメに掃除し時にゴム類を痛めない (CRC556絶対ダメ)シリコン系の油脂をうっすら必要に応じて適量に注油して 動きを滑らかにしておく事や ワイヤー引っ掻かかりを含め注油も定期的に行う事で極力重さを抑える事で 十分に正確に動く事から、むちゃくちゃ重たいと言うことは「私は」無いです 日頃のメンテでも着目点は大事かと思っております。 余談ですがFCRとCRを霧化特性等も比較した場合。 FCRは負圧が高い事から吸入速度も失速しづらい事やCRより大径な モノを選択できるアドバンテージもあり、決定的に違うのは「加速ポンプ」を 持つ構造上スロットルを急開しても失速する事が少ない事と 霧化特性も鋭いピックアップだけじゃなく大人しく開けていれば省燃費で 反面メンテサイクルは早く部品点数が多いことからOH費用は掛かり 本体価格も含め高額である事や独特の作動音は好みが分かれる所でしょう。 なおピークパワー点に完璧にSETし比較した場合CRはFCRの数%のロスしか 無い事でただ古いキャブと言うことでも無く 機構的に痩せてしまうすライドバルブのローラーが消耗すれば ガタで引っ掛かり結局は貼り付き危険なので レースの世界ではワンシーズンで新品交換するチームもある位で 上記な様な基本的にスロットル、ワイヤーに注油し完璧に取り回しても 重い場合は本体内部のスライド部のローラーにガタが出て転がる抵抗が出ていると 考えられる事から貼り付きで回転が下がらず危険な目に遭う前に潔くOHか? 新品に交換すべきでしょう。 だからオークション等で中古のFCR(キャブ)の購入は警戒が必要かも? どんな用途、期間で使用?把握出来ないモノは完全にOHしなければ 怖くて使えないし、後の費用を考えると場合によっては新品買って自分の仕様に SETした方がドンピシャだったなんて話しも少なくは無い。
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お次の画像はスロットルワイヤー部ですが 仮に高性能なキャブ着けてもスロットルワイヤーの遊び量がたるみ過ぎている バイクを見ると苦笑いする事もありますが、部品交換でレスポンスや 絶対性能が大きく変化することは正論だけど その前に基本中の基本ワイヤーが弛んでいてはお話にならないでしょ? そのキャブの性能が使い切れていないでしょ?でも結構いるんですよ・・・ こういう方が・・・ あなたのバイクは大きく弛んでいませんか? キャブはスロットルワイヤーで引かれて初めて開閉をするモノなので バイク基本整備で燃料、タイヤ空気圧、バッテリー電圧を確認する その延長線上で時々目視でやればでいいところで 「専門知識よりまずは基礎知識」が大事。 でもピンピンに張って ハンドル切ったらエンジンの回転数が上がるなんてダメ、張りすぎ 更にコレがヤレた古いバイク達に例えると「総合的に見ないとムリ」と 私は書くのもバイク以前に「工業製品」なのでちゃんと設計、開発段階で 対応年数も念頭に置き設計され計画的に壊れて行く様に考てあるハズなので 何処か一カ所を直し一時的には直るけど、また他も壊れるを繰り返し 気付けば全部交換整備した例は多いでしょう。 いや!そうで無ければ本来のバイクが持っているポテンシャルを 引き出し切れていないハズで特にZ系なんて過剰品質だった事から騙し騙し 走れてしまうバイクがいかに多かと。 何度か?その辺も記事にしましたが 当時のカワサキ背水の陣で出し惜しみ無く作られたバイクなので 信頼性や動力性能を当時最高のモノにして先々の排気量UPで他メーカーに 応戦することも想定に設計、生産をし世に出す事がテーマで作られて 性能だけじゃ無く耐久性も高くちょっと整備すると今でも 「走れてしまう」と言うことだと解釈しております。 現に1980年代は中古車でこんなカスタムパーツもない時代のZ2達は エンジンを必ずOHしなければダメなんて車体は少なかったし ちゃんと基本整備をしておけば問題なく走りました。 またネットやメディアが基本整備をほとんど書かずに その先の絵ズラのイイ高額で高性能な部品が着いているバイクを多く クローズUPしていること自体広告効果も狙っているだろうから 販売部数至上主義の記事が多いのも致し方無いかもしれない。 ソレもよく解りますよ、私もノーマルばかりの本じゃつまらないし 改造してあるバイクは「物珍しい」から人目を引きつけるので ソレはソレでイイじゃないですか。 後はそれを見てどう感じるか?は見た人の感性であるので 否定も肯定もしませんしフルカスタムも1ジャンルに高性能化で しかも安全な取付とそこに目立つ要素も加わりますが 雑誌やネット、口コミでイイよ!と騒いでいる部品を自分の主観ナシに 高価な部品を買い漁ればイイバイクになるのは半分は約束されているけど ネガな部分を含めて古いバイクは受け入れないと (カワサキの新車でも欠点はある) 結局は現行車で最新型の完璧な部品で構成されて行くの事になるので その年代のバイク本来の味は無くなり、高性能の部品の味しか出ませんから そのバイクの個性ではなくその部品に乗っているそんな事になりかねません? 更に人気部品は当然みんな買うだろうからMyオリジナルバイクになるか? と言えばどうでしょ?イイ物はみんな買うのでホントの意味で 個性を求めるなら?まずは少数派で無ければならないので 時には笑われる事もあるだろうけど自分のスタイルを貫くひねりや工夫は必要。