無駄なアイドリングはエンジンを壊す

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これから続く寒い日に特に気になる暖機運転と
アイドリングの話を書きたいと思います。

まずアイドリングとはアクセルに触らずエンジンストップが起きず
最低出力で回転(設定)する状態で
 
この時エンジンは無負荷で楽な状態と思って勘違いしている方もいますが
別の部分では各パーツは油圧ギリギリの所で少ないオイル量の為に
発熱、摩耗、攻撃にさらされているのです。

エンジン的にもクリアランスが大きい状態でもあるので
ガタガタとしてエンジン本体には良くはないでしょう。

この時4サイクルエンジンの代表的な部品
カムシャフトを始めとする作動弁(吸排気バルブ)系は摩耗進行しやすいく
カムシャフトというのは燃焼室の空気の出し入れをコントロールするバルブを
決められたタイミングで押し下げるパーツで横から見ると
卵形のような断面形状をしています。

カムをバルブを密着させているスプリングの力に対抗しながら
バルブを押し下げ低回転になればなるほどスプリングの反力を
まともに受けてしまいこの抵抗がそのカム山の頂点が摩耗しやすくなるのです。

この状態をずっと続けた結果カム山とかを傷つけた状態を一般的に
「カム山をカジる」と言います。

例えばバルブのスプリングの
反発を「あなたが自転車に乗りペダルを漕ぐ重さ」とします

「0Km/hから走り始める時」と「少し動き始めて加速するため漕ぐ時」と
どちらが力が要りますか?
0Km/hからの走り始めが一番力が必要ですよね?その差がイメージです。

なので逆に回転が上がってくると押し下げた
バルブの力がスプリングの反力を低減させポンプからのオイル流量も
摺動(しゅうどう)面に良く巻き込まれるので、潤滑条件が良くなります。

一般的にカムシャフトというのはクランクシャフトの半分のスピードで回りますが
アイドリングは程々に寒くても水冷空冷問わず数分2000rpm位で1.2分回し
その後は急が付く行為は避けゆっくり(冷却水)の温度を整えて行くことです。

また過激な走りをした後で長時間アフターアイドリングをする事も逆効果
目的地の数キロ手前でペースダウンし温度を整えて
停車したらエンジンは止める事が長寿エンジンへの第一歩です。

昔のキャブレター仕様のレース車両とかも練習走行は
セッティングもしますのでピットインは慣性で入って
プラグの焼け具合で判断する時代でしたから

低回転で回すとカーボンが着くので
全開時のプラグの焼け具合をメカニックが判断したい事から
ピットレーンに入るとエンジンを切って状態を保存する
意味もあって慣性のままでピットインすることが求められました。

逆説で夏に熱ダレすると勘違いし大型のオイルクーラーも
冬季では(ラジエター&電動ファン)を装着し温度を必要以上に下げ
壊すケースも有るので温度の目安は必ず常に把握すべきで

それが出来ないので有ればお辞めになる方が賢明です
お金を掛け壊す様なモンです。

こうした季節の寒暖の変化に対応できる様に現在では
適温を整えるサーモスタット販売されているのでこれも付いていれば便利で
無い方はオイルクーラー&ラジエターに段ボールで目隠しもOK

昔はガムテープ貼ったりそれだけで効果はだいぶあるので
今も昔も最もポピュラーなやり方でしょう。

通常油温の適温は、水温の上下10度くらいが目安で
80~100度前後とされており過激な改造やレース等でない限りこれが適正温度で
過度のチューンをしない限りオイル油温エンジン温も違う事や油圧
(オイルの流れる勢い)も回転数に応じて強くなることも付け加えておきます。

ムダで不適切なアイドリングは環境破壊するだけではなく
エンジン寿命を縮めている事でもあるのです。

前回にも書きましたがエンジンを傷めたくなかったら
「マメにオイル交換や車速の合った回転数」で過激な加減速をしない事が
結果負担をかけず長寿命への基本操作でありますが

それはスポーツ走行やレースを否定しているのでは無くて
その場合に起きた消耗はむしろ正常の消耗であり
無駄なアイドリング(ガソリンを使う)をして
大事なエンジンやバイクを壊さないで下さいという記事として読んでください。